マスクさん、ツイッターのように日本メディアを買ってください!

石井孝明
ジャーナリスト

ユーザーは喜ぶTwitter社の大量解雇

SNSのTwitterを買収したイーロン・マスク氏が、全取締役と同社の法務、PR、また運営管理部門の人2000人、社員の約半数を先週末に解雇した。お気の毒で、その不幸にあった人は再就職などを頑張ってほしい。

ところが、Twitterは今日も無料サービスの提供を続けている。それどころか、そうした無駄な人たちがいなくなって、Twitterが使いやすくなったと言う声がユーザーで広がっている。

解雇された社員たちは、ハッシュタグ(特定話題を閲覧できる機能)を作り、慰め合っていた。それを辿ると、収益が伸びていないのに、高給なのか、会社の金を使っているのか、いい生活と勝手な意見を、華やかな写真と一緒につぶやいていた。それでいてフォロワーが数百人の人間が大半だった。気の毒に思う気持ちも、かなり私の中で消えてしまった。

ITコンサルタント、作家のメイロマこと谷本真由美氏はTwitterのインフルエンサーだが、こんな皮肉を書いていた。

(谷本氏)Twitterを首になった奴らの好きなもの・ハートマーク・ヨガ・ピラティス・ビーガン・自転車・意識高い食い物屋・リゾート・ビーンバッグ・ネイル・SDGs・国連・パステルカラー・Zen・ネズミ園の映画・ハロウィン・マラソン・サークル・瞑想・イルカの人権(元つぶやき1

(谷本氏)イーロンが来てからのワテのタイムラインで激減したツイート・過激な政治ネタ・米民主党アゲ・韓国・特定宗教・自民批判・れいわ・共産党・民進党・学生運動・沖縄・LGBT・子育て支援・不妊・学校・旦那の愚痴・反ワクチン・親ロシア・親中国・素人料理人のクソまずレシピ・クックパッド・ディズニー・セレブ・美容(元つぶやき2)(読みやすく点を入れた)

米国リベラル価値観の押し付け

谷本氏の意見に、全く同感だ。Twitterのタイムラインには、英語ではいわゆる「米国リベラル」の意見の記事、対立を煽る記事、弱小のウェブメディアや朝日新聞などに誘導する記事が多かった。これはTwitter社への広告の支払いに加え、中の社員たちの「意識高い系」の価値観によるものだろう。Twitterはトレンドという話題になる言葉のコーナー、また言葉を登録するとお勧めツイートが流れてくるが、それを人為的に操作していたようだ。タイムラインに、リベラルや左翼や意識高い系の意見が流れてこないので、気持ちが良い。

Twitter社は世界に広がっているのに利益をなかなか出せなかった。稼ぐことに能力を発揮せず、こうした価値観の拡散にエネルギーを割いていた。しかも高級取りで会社の金を使っているのに、役に立たなかった。マスクさん、株主が怒るのも当然だし、それがなくても、情報のプラットホームは回るのだ。環境や人権など、少しはいいけど、繰り返されるとうんざりのユーザーが多かったわけだ。

私はTwitterをやっている。楽しませてもらい、また記者としてのP Rにも使い、無料でやれたので感謝はしている。ありがたいことに、メディア関係者ではかなり多い、11万2000人のフォロワーもいる。しかし不愉快に思うことがあった。

私はネトウヨとよく批判される。確かに保守傾向だが、この言葉の含む人種差別とか、国粋主義的思想は皆無だ。そして2018年から少しの期間会社勤めして、記者活動をTwitter含め減らしていた。その頃、私の発信への抗議が増えたのか1週間資格停止処分を受けた。その抗議は聞き入れられなくなった。お勧めユーザーに名前が載ることもなくなった。私の個人攻撃が、トレンド入りし、放置されたこともある。

Twitterのトレンドもおかしなことがあった。れいわ新選組、日本共産党の議員とその関係者の高齢者が、頻繁に深夜に同時にほぼ同じ内容のツイートと同一のハッシュタグをつけて書き込む。中央からの指示だろう。そうすると、トレンドにそれが掲載される。その掲載されたことを、朝日新聞は流石にしないが、毎日新聞、東京新聞、共同通信が記事にして、それをまた関係者が騒ぐ。こうした「Twitter乗っ取り」が繰り返されたのに、同社は放置していた。抗議をしても改善しなかったが、これが大量解雇後になくなった。

Twitterの運営による、表現の不自由が一時的に解き放たれたのだ。

隠れた規制でゆがんだ情報の流通

このTwitterの姿は、今の言論の姿を色々考えさせるものだ。

一つ目は隠れた規制の怖さだ。書き手、作り手であるメディアがこれまでは主役だった。しかし情報の流通では、そうした制作者から流通に関わる組織が中心となっている。そして彼らが、一つの価値観を押し付けようとしていたのだ。日本のいわゆる左翼・リベラル勢力は世論調査だと、政党を合わせても常に人口の7%程度だ。それなのに、紙媒体やネットを見ると、全人口の半数のように錯覚してしまう。これは情報の流通がいびつだということだろう。Twitterで、マスク氏が変な流通を強制的に叩き壊してくれたことで、現実と情報の流通が離れていたこと、また多くのユーザーが望んでいないことが明らかになった。

また大した記事を出していない新興ネットメディアが、Twitter上で大変優遇されトレンドに頻繁に掲載されていた。それが大量解雇後に急に表示されなくなった。おそらく広告代を出して目立つ掲載をしてもらっていたのか、Twitter社の担当者の趣味なのだろうが、人がいなくなってそれができなくなった。

「ノーワーキングリッチ」がどの企業にも

二つ目は収益の問題だ。どの企業にも、企業の利益に直接役立たない間接部門がある。法務、PR、管理などだ。それは絶対に必要だが、過剰に増えてしまう傾向がある。Twitterでは半分が消えても、サービスの提供は続いている。企業はそういうのを切り捨てても回ることが、明らかになった。特に物品を販売せずに収益が見えにくいメディア産業は、そうしたものを抱えすぎている。

NHKの退職者に、この組織にワーキングプアーをもじり「ノーワーキングリッチ」という言葉があると聞いた。40歳まで異様に忙しいが、セレクションされ管理職になると、放送の現場から離れる。そうすると管理の仕事は増えるが制作の仕事が減っていく。窓際になっても仕事は減っていく。権限はないのに、地方のNHK局長は年収2300万円程度をもらえる。収益を問われることもない。高待遇なのでつまらない仕事でもやめられず、やることがないので、バカになっていくという。これは極端な例かもしれないが、旧メディアはどこも似たようなものだ。

日本メディア復活のカギ−新しい血を入れる

この2点を日本のメディアで改善してはどうだろうか。メディアの中の人の主観の押し付けをやめる。無能な記者、制作者を切り捨て、若手を登用する。ユーザーの意見を汲み取る。そうすれば、ユーザー志向の社会に役立つメディアが出現するかもしれない。しかも今、収益低下で買いやすそうで、どこも無能経営で改善の余地は多すぎる。

日本のメディアはどこも経営危機にある。また内容もつまらないと批判され、ユーザーの不満も大きい。規制により生き延びていたテレビも縮小傾向だ。以下は東京の地名だ。万年赤字の竹橋の会社とか。不動産事業が好調で新聞事業を食べさせている築地の会社とか。「赤坂不動産」と言われる巨大ビルをもつ放送局、いずれも70代の経営者が君臨し株価が落ち込むお台場、六本木にある放送局がある。今は買い時だ。出資規制は色々あるのだが、背に腹は変えられないので、法改正も可能だろう。

米国のメディアでは、ニューヨークタイムスやワシントンポストで、収益が回復している。ネットで有料で優良なコンテンツに金を出すユーザーが戻っているのだ。無料で人を寄せてそこで広告で稼ごうとしていた、グーグル、そしてTwitterでは、成長がここ数年足踏みしていた。Twitterはその後、今回首になった人たちを中心にメディア志向になっていた。その戦略が見直されるのかもしれない。

日本人としても、私自身ができないことからも恥ずかしいが、お願いをしたい。イーロン・マスクさんやワシントン・ポストを再建したAmazon創業者のジェフ・ベゾスさんのような優秀な大富豪が、日本の新聞やテレビを買って、大量解雇をした上で、再生してくれないだろうか。Twitterと同じように、ユーザーの支持を集めて復活する可能性がある。ただ残念なことに、買う価値もないほど、企業としてひどそうだけど。

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