外国人トラブル、埼玉県川口市の現状(上)暴走運転による住民の危険

石井孝明
ジャーナリスト

外国人居住者は日本に約296万人(22年6月末)いる。「多文化共生」を行政は唱えるが、現実ではトラブルが多発する。問題に直面する埼玉県川口市を訪ねた。

現地では住民が外国人の違法行為に困っていた。特に素行の悪い一部クルド人の迷惑行為、危険運転問題が深刻だった。しかも行政と警察の対応は鈍い。

寛容で優しい埼玉の人たちが、外国人の横暴に萎縮して生活している。こんなことが日本で許されてはならない。メディアは埼玉県南部地域の外国人と住民のトラブルを伝えない。私は現地で見たままの事実を、他に先駆けて報道して、社会に警鐘を鳴らそうと思う。私に人種や宗教を差別する意図はない。また、こうしたトラブルは、どの政治立場に立つ人でも困惑し、拒絶し、改善を求めるはずだ。

奥富精一川口市議会議員(自民党)に案内をしていただいた。23年5月の休日に取材をした。

多文化共生、表面的な面白さの陰にある闇

川口市内のケバブ店を訪ねた。クルド人経営の店だ。店員は無愛想で日本語はしゃべれないが、料理は美味しかった。異国を感じることは楽しい。

(お知らせ)写真1でクルド人の青年らの写真を掲載しました。当然、取材時に撮影と掲載の許可を取りましたが、削除要請が関係者と思われる人から来たので削除をします。クルド人の若者の人生に影響を与える意図は、私にはありません。また、この写真の版権は執筆者の私石井孝明にあります。画面キャプチャーなどで、写真を保存された方は、使用しないでください。以下の写真は石井撮影です。

(写真1)トルコ大使館前でのクルド人とトルコ人の騒乱。2015年、NHKニュースより

アマルさんというクルド人の20歳の解体工と話をした。会話は弾んだが、「どのような立場で日本にいるのですか」と聞くと、「政治難民です」と言って、その顔はこわばった。「本当に政治難民ですか」と重ねて聞くと、「トルコに帰ると迫害されます」と下を向いた。会話は終わった。

(写真2)川口市の中東バー。騒音がひどく、住民が抗議に行くと店内の人から返る言葉は「日本語分からない」だそうだ

街を歩くクルド人と思われる男性4人に声をかけた。最初はにこやかに挨拶を交わしたが、取材を申し込むと「日本語分かりません」と言って去っていった。「本当に日本語が分からないのかな。またクルド人の大半は政治難民とは思えない」。同行の奥富議員が首を傾げた。記者を警戒するのは当然だが、話せない事情がありそうだ。

埼玉県南部の川口市、蕨市には、外国人が集住する。川口市の外国人住民は約3万9000人(21年12月末)と、市人口約60万9000人の約6.4%を占め、その数は全国自治体で1位。それぞれの数は未公表だが中国、ベトナム、韓国、フィリピン、トルコの順だ。蕨市では同7571人(21年6月末)と人口の約10%だ。

しかし埼玉県、川口市、蕨市、埼玉県警は、それ以上の情報を公表していない。特に外国人の世帯状況、収入や納税実態、外国人と住民とのトラブルの苦情件数を調べていない。県警は把握しているであろう、外国人とのトラブルの通報件数、各国、各民族別の犯罪の状況、捜査から得られる犯罪の詳細、傾向も明かしていない。「実態が分からなければ、対策も立てられません。データの改善を求めていきます」と、奥富議員はいう。この事実でも分かるように、地方行政は「共生」は唱えても、国は移民容認に舵を切っても、その準備が足りない。そして警察を含め外国人取り締まりに積極的ではなさそうだ。

外国人の危険運転が住民生活を脅かす

奥富議員が今取り組んでいるのは、クルド人と住民のトラブルだ。(住民の証言や背景説明は以下の記事「埼玉県南部で外国人と住民のトラブル深刻化」)

クルド人は川口市近郊に2000人程度いる。彼らはトルコのパスポートと観光ビザで来日し、その最中にトルコで迫害を受けると主張して、日本政府に難民申請を繰り返す。その決定が出るまでの一時的措置という名目で、日本で働き続ける。申請が却下されても、何度も申請を続けて日本にいる。奥富議員は「政治難民との主張は怪しく、就労目的での滞在が大半と思います。政治運動をする人がごく稀にいるようですが、川口に他国の紛争を持ち込まれても困ります」と述べた。また街での見かけるその数の多さを考えると、2000人よりもっといるような印象を持つ。実態が分からない。

在日本のトルコ大使館はトルコに迫害される政治難民と自称するこの集団の保護も、住民と調和するようにという啓発活動もしていない。放置している。

クルド人の法律違反に加え、警察による摘発は難しい迷惑行為、グレーゾーンの行為が問題になっている。具体的には、危険運転、改造車乗り回しと夜の騒音、ゴミ捨てのルールを守らずポイ捨てをする、深夜に集まり大声で会話する、放尿、地域からの孤立、企業による不法投棄、若いクルド人男性による日本人女性へのセクシャルハラスメント(つまりナンパ行為)、未就学児童の増加と一部の不良化という日本人にとって迷惑な行為だ。日本女性と結婚すると永住しやすいため、彼らはナンパに熱心という。

特に今、クルド人の危険運転で、住民の生命と安全が危険にさらされている。昨年12月には川口市で日本人の68歳のひき逃げ死亡事故が起きて、クルド人の19歳の少年が逃走、出国しようとしたところを逮捕された。

取材した日は休日で、奥富議員の車に同乗した。クルド人運転の車は少なかった。それでも2回ほどクルド人と思われる男が運転する車が、無理に車列に割り込もうとしたのを目撃した。「運転マナーを守っていません。私の周囲でも事故が頻発しています。無免許、無保険での運転、車の所有名義のずれも多そうで、日本の交通ルールを知りません」(奥富議員)。彼らが運転を学ぶ機会などないだろう。そして、この1−2年、改造車の深夜の騒音と暴走が目立つようになった。

奥富議員の家の周辺では、この1年で5件ほど車の事故があった。一例を示すと、民家の塀に車が突っ込んだ。犯人はクルド人らしいが、結局特定できず、修理費用は住民が負担した。また別の例では、クルド人が追突事故を起こし、運転者がすり替わろうとした。無免許運転のためらしいが目撃者がいてそれが発覚した。警察が犯人を連行しようとすると、10数人のクルド人が集まって抗議のために騒いだ。

(写真3)この狭い道を、産廃、解体業者のトラックが高速で平日に走っているという。川口市の赤芝新田地区。

川口市の赤芝新田地区では、トラックが狭い道を、高速で走っている。この付近にクルド人経営の産業廃棄物、解体業者が集まり、そこに出入りする車だ。ここには通学ルートがある。非常に危険だ。「交通事故は処理が煩雑で、警察はクルド人が絡むと、微罪は事件化したがらないようです」(奥富議員)。

生活トラブル、注意しても改善せず

(写真4)川口市の住宅街でのゴミ集積所。トルコ語で案内を書いてもクルド人はゴミ出しルールを守らない。収集日でないのにゴミが捨てられ、日本人住民による掃除の途中だった。

小さい生活のトラブルが集積され、住民は苦しんでいる。川口市上青木のある公園を訪ねた。静かで清潔な住宅街だが、ゴミ集積所にはゴミが散らかっていた。近くにクルド人が集住するアパートが何軒かある。連休中にゴミを大量に捨て、鳥よけネットもかけないので鳥が袋をついばんでいた。それを地域住民が掃除をしていた。話を聞いた。

(写真5)川口市内の公園での掲示。マスクをつけること、公園での飲酒禁止、また鳥への餌やりをしないでとの呼びかけ。

「男性も女性も、ルールを守るように何度言っても聞きません。諦めています」。トルコ語の掲示を川口市役所に作ってもらったが、それでも決まった日以外にもゴミを出す。

習慣の違いによるトラブルもある。クルド人は鳥に餌をやる。そのために、この近辺では鳩が増え、ゴミを散らかし、糞害にも悩むようになった。「住民との交流はないが、気の毒なことも見えます。大怪我をしたクルド人が朝、リハビリのためか、ぐるぐる公園の周囲を回っていることがありました。無保険でお金を節約しているのでしょう。地域の病院にはほとんど来ません。新型コロナの流行の際には、感染者が出たかどうかも分からないです」

(写真6)産廃、解体業者のトラックが、長時間、店舗の小売りスペースに止まる。私が記者として取材を運転手に申し込むと、「日本語分からない」と言って、すぐに去ってしまった。

近くの小売店の店主に話を聞いた。この店の無料駐車スペースは、公園とともに夜にクルド人の溜まり場になる。また長時間、トラックを平気で止める。夜、異国の男たちが集まっていたら怖いだろう。またクルド人による性犯罪はまだ発覚していないが、女性へのナンパや声がけという、クルド人によるセクシャルハラスメントは頻繁にある。そのため夜に日本人が出歩かなくなり、売り上げが落ちた。「長時間停車する場合に、何度出ていってくれと言っても、なかなか立ち去りません」。

クルド人同士による深夜の乱闘騒ぎもあった。住宅地の真ん中で突然、深夜に怒鳴り合いの声があった。警察が来ると、捕まった少数の人間以外は逃げていった。この近くには、クルド人だけが暮らすアパートがある。現場を見た住民の話を聞いた。「居住実態は分からないので、突然の事件でした。どの家族も狭い部屋に何人も住んでいます。若い男は外に出たくなるでしょう。良い生活をしているとは思えず気の毒です。地域から孤立して暮らしても不幸なだけだと思います」と同情した。

(写真7)クルド人が住むアパート。1Kほどの狭い部屋に家族5−6人が住む例が多いようだ。外壁が壊れ、ゴミが散らかっていた。

クルド人の住むアパートはどれも古く、外見上汚れ、周辺にゴミが多い。大家も利益が出ないので、建物の整備に金をかけていないのだろう。民族的習慣なのか女性は外に出ず、男は夜に外で集まる。それが住民には騒音で迷惑だ。奥富議員によれば、「挨拶の習慣がなく、声がけ、挨拶をしても、女性も男性も、誰も返事をしません」という。1Kほどの狭い部屋に5−6人の家族、もしくは男だけで住んでいるようだ。

(写真8)夜中に集まる中東系外国人の群れ、埼玉県川口市、読者からの提供。

 

住宅街にクルド人経営とされるケバブ屋があった。コロナ流行の際の、飲食店の休業給付金目的だったらしく、ほぼ営業がないまま閉めてしまった。クルド人も悪いが、悪事を教える日本人がいるらしい。給付金が出たかは不明だ。

解体業、産廃業で働く中東の「政治亡命者」たち

川口市に住む、外国人は、国ごとに働き口が違う。クルド人は、解体業者、産業廃棄物業者が多い。川口市の赤芝新田地区には、都市計画法で開発が制限される「市街化調整区域」が広がる。そこにクルド人経営の解体業者、産廃業者が集まっている。

埼玉県の公開する産業廃棄物や解体業の許認可の許可情報を閲覧すると、いくつも事業者が入り組んで、事業内容を分かりづらくしていた。「法律や条例で禁止される、許可以外の産廃の処理、違法建築や土地開発が行われているようです」と奥富議員は指摘し、今、警察と行政に調査を依頼している。この地区の産廃業者が一回違法行為で摘発され、埼玉県から認可を取り消された。ところが新しいクルド系の事業者が、ほぼ同じ場所で事業を行なっていた。

(写真9)道路から奥まった見えないところで、クルド人は産業廃棄物などを保管していた。撮影は公有地から。
(写真10)覆いに遮られ、クルド人経営の産廃業者の保管所は見えなくなっている(川口市・赤芝新田)

周辺の住民が抗議しても「分からない」と店番のクルド人が応対し、経営者は出てこない。土地を貸してしまう日本人がいるが、彼らも「分からない」と責任から逃れる。そしてクルド人が犯罪を起こしても、警察発表は「トルコ人」になってしまう。その「トルコ人」による窃盗、交通事故の報道が、埼玉県南部で少しずつ増えるようになった。

逆に日本人による外国人嫌がらせなどは、誰も見たことはなかった。日本人は、外国人に気を遣っていた。

(下)日本人の優しさが利用される」に続く。

石井孝明

経済記者 with ENERGY運営
ツイッター:@ishiitakaaki
メール:ishii.takaaki1@gmail.com

1 件のコメント

  1. 米島弁 より:

    実は私、活動の黎明期からクルドを支援していた人物と面識がありました。既に故人ですが、その人物は国鉄労組出身で、社会党→社民党の議員。いつ頃だったか彼と公園でバッタリ会い、「斯々然々でこの辺りに住んでいる外国人を支援している」と聞きました。その時、彼の周囲にはカラフルな衣装を纏った外国人たちが祭りらしきことをしていて、今思えば、その外国人がクルドで、ネブロスの真っ最中でした。とは言え、子供だった私は見慣れぬ外国人集団や祭りを目の前に、啞然とするばかり。そもそも、なんで外国人の支援なんかやってんの?と思いましたし、今でもその理由が気になります。それから何十年、こんなことになろうとは(~_~;

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