総務省文書騒動、高市早苗さんが正しかった
目次
高市さんの発言裏付ける総務省調査
放送法解釈をめぐる総務省文書の騒動で、総務省が調査結果を3月17日に出した。
高市早苗内閣府特命担当大臣は、この騒動で自分の名前の出る4つの重要な文書に身に覚えがなく、自分への総務官僚による放送法解釈についての説明会合(レク)、礒崎陽輔首相補佐官、安倍晋三首相との電話などによる打ち合わせ全てを否定し、文書は捏造だと言った。この調査結果で、高市さんの言った通り、総務官僚の発言が捏造である可能性が高まった。常識的に考えれば、高市さんの「勝ち」だ。私は彼女を政治家として特に応援するわけではないが結論としてそうなるし、彼女への無意味な攻撃は正義感から不当に思う。
私は、可能性は少ないが、総務省が首相と大臣を騙す謀略を行ったこともあり得ると指摘した。(&ENERGY「総務省文書騒動、架空報告で高市大臣を騙した可能性強まる?」(3月17日))その推測が、予想に反して、しかも残念なことに当たってしまいそうだ。つまり電波官僚は利権を守るために、当時の安倍晋三首相、高市早苗総務大臣を騙して情報を伝えず、首相と大臣の指示があったかのように文章を作って放送法の解釈をめぐる政策を遂行し、放送法に政治家がさわるのを阻止した、ということだ。
この調査結果で、総務省とこの騒ぎを起こした立憲民主党と、怪しい文書を国会で拡散した小西洋之参議院議員の責任追及に局面は変わった。それなのに、世論も、メディアも、政府も、自民党も、立憲民主党も動かないのは不思議だ。高市さんを政治的に潰そうとする集合意思でもあるのだろうか。
官僚による大臣説明はなし、文書捏造の可能性
以下が、総務省の調査結果の抜粋である。ポイントを述べてみよう。
問題になっている4つの文書のうち、2014年の大臣レク(引用No.21)で「レクがあった可能性は高い」としながら、「この時期に、放送部局から高市大臣に対して、放送法の解釈を変更するという説明を行ったと認識を示す者はいなかった」「作成者及び同席者のいずれも個々の内容までは覚えていないとしている」という。
さらに、作成者である現在は総務省の現役課長である人は「記憶が定かではないが上司の関与を経て」文章が残ったとしている。これは官僚用語では、文章が上司によって書き換えられたことを示すようだ。
また首相、高市氏、今井秘書官が放送法をめぐり電話で話したらしいとする文章(NO.39、42、43)についても、電話の有無は確認されず、作成者不明としている。
この調査結果を素直に解釈すれば、高市氏の発言通りということになる。この文章の登場人物は6人いて、高市総務大臣(当時)、大臣室担当参事官、秘書官が否定。残り3人の官僚が「わからない」とするなら、そう判断するしかない。
大臣を交えたレクはあったかわからないが、放送法解釈をめぐる詳細な説明は電波官僚側から高市氏に行われなかったと考えられる。これは政治的立場に関係なく、現時点での情報は客観的にそう判断せざるを得ない。つまり、一番可能性の高い解釈は、電波官僚が公文書の内容を、高市大臣の言う通り「捏造」したということだ。
とすると、この後は当然のこととして、2つの問題が出てくる。第一は電波官僚による公文書偽造の真相解明と責任追及である。第二は、こうした虚偽文書を漏洩した総務省内部の人間、拡散した小西洋之参議院議員の責任追及である。
電波官僚による公文書偽造疑惑を解明せよ
第一の電波官僚による公文書偽造の問題を考える。公文書偽造は、刑法155条に規定される。小西議員が「重要文書だ」と騒いだために、総務省が「行政文書」とこの文書を確認した。この行政文書の言葉の意味は不明だが、ただ森友事件をきっかけに作られた公文書の扱いルールの中での「重要文書」としての扱いは受けていないようだ。下書き、経緯説明の意味で保管されていた模様だ。
また小西氏は2年前にこの文章を入手したとしている。登場する3人の電波官僚のうち、2人が退官した今年になって急に出した理由はわからない。
調べると、公文書偽造罪の時効は7年で、この問題は刑事訴追ができない可能性がある。だが懲戒処分に時効はない。電波官僚が、首相と大臣を騙して、政策を進めるなどあってはならないことである。この前に述べたように、首相を官僚が騙して政策を進める先例は、「満州事変」などしか私は知らない。
これは当然、当事者の役人たちの証人喚問をする意味があるだろう。また刑事告発も、総務省によって行われなければならない。
文書漏洩者と小西洋之議員を責任追及せよ−先例では逮捕・有罪
そして、この文書は総務省から違法に持ち出されたものである。こうした内部告発は公益通報として保護される公益通報者保護法があるが、偽造文書であるならば、この制度でも守られないだろう。この違法行為の責任が追及されなければならない。なぜかメディアも、騒ぐ人も、ここを強調しない。
公文書漏洩は国家公務員法違反(110条)として、罪に問われる。そしてそのそそのかしも罪に問われる(同111条)。外務省機密漏洩事件(西山事件、1971年)で、毎日新聞記者の西山太吉氏は、機密漏洩を依頼しそれを公表したことで罪に問われ逮捕、起訴され、最高裁で有罪が確定した。
この総務省文書騒動は上記と同じ構成で、これを漏らした総務官僚は罪に問われる。また詳細の解明が必要であるが、それをそそのかした場合に、小西氏は罪に問われる。小西議員には不逮捕特権が国会議員としてあるが、それは国会会期中のみだ。また捜査は可能だ。
総務省は、情報漏洩について、違法行為がある以上、当然、刑事告発の義務を負う。総務省は情報漏洩の懸念で左派からマイナンバー制度への批判を繰り返されている。職員が堂々と情報漏洩をしているのだ。その懸念が正しいことになってしまうだろう。行政の信頼を失わせる。
永田偽メール事件の繰り返し
また虚偽の情報によって、高市早苗大臣の政治責任を追及した、小西議員、そして立憲民主党は当然批判されるべきだ。2006年の偽メール事件を覚えているだろうか。民主党の永田寿康衆議院議員が堀江貴文氏のメールを根拠に武部幹事長への堀江氏からの不正献金を国会で追及した事件だ。メールは偽物で、民主党首脳部は総辞職、永田氏は議員辞職の後に自殺した。
今回も似た構図だ。しかし、これは公文書偽造と、首相と大臣を電波官僚が騙した疑惑とセットになっている。偽メール事件より悪質な事件だ。小西議員は、3月19日に高市氏に辞職を迫る焦ったようなおかしなツイートをしている。しかし客観的に、違法性が問われるのは彼なのである。動揺しているようだが、精神的にも法的にも社会的にも彼は大丈夫なのだろうか。
最初から最後まで、この騒動での小西洋之氏の意図が不明なのだが、結果として彼は何事も成し遂げないが「トリックスター」、つまり物事を混乱させて、それを進めてしまう人の役割を果たした。余計なことをしたばかりに、彼がかつて関係を持った上司や同僚を犯罪者にしてしまったのかもしれない。ただ、不思議なのは、情報漏洩者は、小西氏のような「小物」に文書を渡して何をしたかったのかと言うことだ。これが政府を攻撃する重要文書とでも勘違いしたのか。これも解明が待たれる。
高市さんは被害者、彼女の人権救済を
不思議なのだが、今、野党は高市早苗大臣を個人攻撃している。日本の野党は政策の提言ではなく、政府を大混乱させることを狙って、常に国会活動をしている。政府を混乱させるという視点に立ったら、総務官僚が首相と大臣を騙したという「満州事変」並の大スキャンダルを追及した方が、騒ぎは大きくできるのだが。不思議な人たちだ。私の述べた理屈がわからないぐらい、頭が悪いのか。もしくは電波利権を守ろうとしているのか。また自民党も、岸田首相も、高市さんをかばわないのが不思議だ。首相候補とされる彼女の政治生命を潰したい考えがあるのだろうか。高市さんは被害者だ。
自民党がこの問題で、関係者の証人喚問した上、総務省、もしくは同党が刑事告発をしてほしい。もしくは、これだけ人権侵害された高市早苗内閣府大臣自らしてもいいだろう。捜査機関によって、この疑惑を明らかにする必要が出てきた。
今回の問題のメディアや野党の大騒ぎはずれている。私は小西洋之氏の幼稚な発言と行動にずっと不快感を持っていた。彼が政治的、社会的自爆をするのは喜ばしい。しかし、個人的な好悪を離れても、この騒動はおかしさに溢れている。早く決着してほしい。
国会は開催に経費が1日約3億円かかる。こんな無駄な騒ぎをするより、司直の手に委ねるほうが合理的だ。予算審議や、高市大臣の進めるセキュリティクライアンス(情報の保護)の問題から切り離し、総務委員会の下に特別委員会を作り、関係する電波官僚を証人喚問し、その結果を受けて刑事告発をする行動が、速やかな解決をもたらすだろう。この無駄な騒ぎは、国益にも、国民のためにもならない。
11 件のコメント
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小西氏の言う一級の行政文書を手に入れてからの今の時系列にびっくり。疑惑しか深まらない…
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儂らには野党は救えぬものじゃ…
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立憲の政党自壊作用が早まっただけのことではありませんか?
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選挙年に悪い影響しか与えないのに放置した、立憲の上層部は無能ばかりなのかと言う印象だけが残った、逆に普通の事を言っただけなのに評価が上がった国民民主党との対比が
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本件では見過ごしてはならない重要な点がある。
それは虚偽を記載した文書を公文書として官僚が保持しているということだ。
通常、企業であればこのような問題が発生すれば、全部署で横断的に全部文書の確認作業が行われ、虚偽文書の作成者は然るべき責任(場合によっては刑事責任)を取らされる。
日本の政治はすべてがいい加減だ。 -
これは、行政文書ファイル管理簿に登録された1件74枚の行政文書に、これとは別に作成された4枚の疑惑文書が、意図的に同一案件の行政文書であるかの様に何者かが、編綴して1件78枚の行政文書として小西議員が国会に提出したのではないでしょうか。そうであるとすれば、これは行政文書の偽装工作であり、行政文書管理ファイルと行政文書共有ファイルを混同して編綴できる状況の改善と偽装工作に携わった人物の捜査究明が必要である。他国のスパイが省庁内にいれば、簡単にねつ造できるということでしょう。
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今んとこ、国民民主党と浜田聡参議院議員以外の野党議員
全般きな臭くて仕方ないのよなぁ……スキャンダル(真偽問わず)を糾弾する時間を政策討論、改善案の提言に回してほしい
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4/6宮本議員「総務省は国会で問題となった3月上旬まで、この文書の存在を知らなかったのか」総務省回答「本件行政文書は作成後【参照されること等が無かった為】古いフォルダ体系の下に保存されていた」回答根拠は、行政文書の管理に関する公文書管理課長通知 2-3「共有フォルダにおける行政文書の電子的管理に関するマニュアル」p16:当該行政文書を「参照」する必要があった段階で、順次、新たなフォルダ体系へ移動(引っ越し)させた後・・この通知がR04.2.10。作成はH31.01。R5.03迄参照されず旧フォルダにあったのなら、いつ誰が参照し遺漏したのか?
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You TubeチャンネルのChoose Life Projectにて
3/9の放送は誰のためにあるのか?
の12:29
参議院選挙の前には私は受け取っておりました
と発言これは明らかに一般的人が公文書所有しているのはおかし。
https://www.youtube.com/live/aXILG1fGmRY?feature=share -
このような文章を大量に持っているとコニタンは言っていたけど、全て偽造、捏造文章と言う可能性が高まっただけでしょ!(笑)
コニタン始め、コニタンを擁護していた立民も責任があるでしょ!
この問題で擁護していた議員連中は責任取って議員辞めてください。(怒)
((( ̄へ ̄井) -
小西の経歴をWikipediaで見ると、問題の怪文書に関わる、通信政策局総務課に所属していた経歴があるので、当時の知人や後輩等を議員の立場を使って依頼すれば、怪文書作成や公文書に紛れ込ませるのは可能だろうと思われる。
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